2020年06月30日

オンライン舞踏番組「Re-Butoooh」配信開始のお知らせ


30分のオンライン舞踏番組 「Re-Butoooh」

2020年6月30日より配信開始!




 


アーツカレンダー 様


 


新型コロナウイルスの世界的流行により、舞台芸術に関連する様々なイベントが延期される一方で、映像のオンライン配信が盛んに行われています。様々な劇場やカンパニー、アーティストが映像公開に乗り出す現在は、アーカイヴに対する関心がかつてないほど高まっている時代といえるでしょう。


当団体はこれまで、舞踏をはじめ日本洋舞史に関わる資料を収集保存し、それらを活用した創作活動を推進してきました。ライブでの活動が制限される現況下で、映像というメディアを用いて何ができるかを考え、この度オンライン番組「Re-Butoooh」の制作と配信を始めることにしました。


土方巽や大野一雄のアーカイヴが90年代から構築されてきた事実からうかがえるとおり、舞踏はアーカイヴの整備が比較的進んでいるジャンルです。その強みを活かし、様々に蓄積されてきた資料から今日の表現を支える「歴史」を紐解いていくことで、舞踏に限らずダンス全体のリテラシー向上を図る中長期的なプロジェクトとしていきます。



2020年6月30日の創刊号を皮切りに、不定期配信します。


 


「Re-Butoooh」は、二つの意味をもつ造語です。第一に「舞踏について(Re: Butoh)」であること、第二に「舞踏をリブート(再起動)する」ことです。日本から世界に広まり、各地で多様な発展を遂げている「舞踏/Butoh」は、半世紀にわたる歴史を刻んでいます。本番組では、舞踏の記録映像を紹介するだけにとどまらず、その創造に深く関わった人物や、実験精神を今に受け継ぐアーティストたちを取り上げることで、20世紀のダンスを変えたこの芸術形式に新たな光を当て、多くの人が身近に触れることができる文化財産として共有することを目指します。






■■■ 企 画 概 要 ■■■

番組名 「Re-Butoooh」(読み:リ・ブトー)


サブタイトル Dance Videology


公開日               2020年6月30日より創刊号配信  2021年6月末まで公開


公開方法           特設ウェブサイト上に順次公開


                          http://www.dance-archive.net/re-butoooh/


長さ                  各号約30分


言語                  日英バイリンガル


視聴料               無料


 


編集部:飯名尚人、川口隆夫、呉宮百合香、本田舞、松岡大、溝端俊夫(50音順)


ピアノ演奏:星野紗月


 


主催 :NPO法人ダンスアーカイヴ構想


 




■■■ 番 組 の 特 徴 ■■■


■ 「Re-Butoooh」は「アーカイヴ」である


膨大なアーカイヴの中から、舞踏の世界を知るためにぜひともご覧いただきたい映像を選りすぐりました。歴史的貴重映像から新撮映像まで、様々なコンテンツを独自の視点から編集し、その魅力と面白さをわかりやすく多角的に紹介します。アーカイヴとは、すべての人へ開かれた、未来の文化創造に取り組む活動です。本番組は、そのような未来形のアーカイヴの実現を目指すひとつの試みです。


 


■ 「Re-Butoooh」は「雑誌」である


雑誌のように様々なトピックを扱い、さらりとした軽妙なタッチで視聴者を奥深い舞踏の世界に誘います。毎号の特集記事は約15分、ショートコーナーは1〜2分。今を記録する取材もどんどん行っていきます。各トピックの背景や更なる詳細は、特設サイト上に掲載します。また番組全体を彩る音楽には、即興演奏を専門とし、フランス各地の映画祭でサイレント映画の伴奏を手がけるパリ在住のピアニスト星野紗月(さつき)を招きます。


 


■ 「Re-Butoooh」は「ネットワーク」である


当団体が収集保存するアーカイヴ資料を紹介するだけではなく、編集部メンバーが持つネットワークを最大限活用して、国内外のアーティストや機関からも資料やコンテンツ、企画アイデア等の提供を積極的に受け、グローバルかつ柔軟な発想による交流と制作を行います。また、オンライン配信おいて大きな課題である権利問題に適切に対処することで、舞台芸術分野におけるノウハウを蓄積し、次代に向けた指針作りに貢献します。


 


 


舞踏/Butohとは?


戦後日本で生まれた前衛的身体表現。1920年代のドイツ・モダンダンスにその源流を持ちながら、西洋の舞踊概念を打ち破る独自の境地を切り開きました。土方巽「禁色」(1959)が最初の作品とされます。70年代後半より「Butoh」の名で世界中に広まり、現在では世界各地で舞踏フェスティバルが催されているほか、学校教育の授業や教科書でも取り上げられています。


 


 


 


■■■ 創 刊 号 目 次 ■■■


【カーテンコール】大野一雄「ラ・アルヘンチーナ頌」(1977年 初演)


出演:大野一雄、土方巽、池田淑人



公演の作品本体ではなく、カーテンコールを紹介します。カーテンコールは、虚構から現実に戻るパフォーマーの姿と作品本編の残り香が交わる、得も言われぬ感動の瞬間です。「ラ・アルヘンチーナ頌」では、演出の土方巽が舞台に登場し、自ら花束を大野に差し出します。


 


【本棚】セリーヌ・ヴァグネル『地を打つ:土方巽 舞踏への道』 



ダンス書籍を紹介するコーナー。2016年フランスのアクト・スュッド社より出版された、土方巽の生い立ちや作品制作の背景を描く「漫画」をご紹介します。フランスの優れた女性漫画家に与えられる「アルテミシア賞」2017年グランプリ受賞作。


 


【ヒストリー】舞踏の誕生 ウィリアム・クラインの『東京』



アーカイヴ資料からダンスの歴史を垣間見るコーナー。写真家ウィリアム・クラインが1961年に東京を訪れた際、土方巽、大野一雄、大野慶人の路上パフォーマンスを撮影した一連の写真を通じて、オリンピックを控えた東京の街と、舞踏草創期のエネルギーとが交錯する姿を解説します。


 


【インタビュー】江口隆哉・宮操子と前線舞踊慰問


出演:渥見利奈




日本のダンスに関する貴重な証言を紹介するコーナー。当団体が2015年から実施する洋舞インタビューより抜粋します。初回はモダンダンス界の重鎮、渥見利奈。戦前、戦中のモダンダンスを自らの体験から語っていただきます。


 


【アーティスト】川村美紀子


出演:川村美紀子



現在活躍するアーティストを紹介するコーナー。独自の生き方とスタイルを貫く多才なアーティスト、川村美紀子を取り上げます。南房総で暮らす彼女の自撮りショットと、2016年パリ公演より庭園で踊る映像を公開します。


 


【衣裳】大野慶人の「睡蓮」


出演:大野悦子



ダンス作品を構成する重要な要素「衣装」を、様々な角度から紹介するコーナー。今回は、本年1月惜しくも急逝した大野慶人が「睡蓮」(1987)で使った背広を紹介。大野一雄舞踏研究所で衣裳整理をする大野悦子を訪ねて、解説していただきました。


 


【特集】ヨネヤマママコ パントマイムの世界


出演:ヨネヤマママコ、清水寛二



毎回ひとつのテーマに焦点を当てて取材する15分のコーナー。今回は、舞踏とも縁深いパントマイムに光をあてます。日本パントマイム界の草分けで、今も舞台活動を続けるヨネヤマママコのレクチャーパフォーマンスと、話題作「新宿駅ラッシュアワーのタンゴ」(1985 三越劇場)を紹介します。


 


 



次号予告 ------------------------------------------------------------


アーティストたちの日々の稽古を1分間で紹介する体験型コーナー「エクササイズ」を新設!国内外よりお届けします。


また、川口隆夫の最新リハーサル映像も特別公開予定です。


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ご紹介をご検討いただけますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。


 


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NPO法人ダンスアーカイヴ構想(担当:溝端、呉宮)

http://www.dance-archive.net/

E-mail:press@dance-archive.net

TEL:03-3582-9273

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posted by アーツワークス at 18:30| Comment(0) | TrackBack(0) | コンテンポラリーダンス・バレエ系

2020年06月21日

'20. 6.21.  柳家喬太郎独演会








柳家喬太郎独演会


会場:県民文化ホール・オレンジ


 柳家やなぎ:そば清


 柳家喬太郎:紙入れ


−中入り−


 林家二楽:紙切り


 柳家喬太郎:ちりとてちん


 どんな噺をするのか事前に示されていなかったから、やなぎが蕎麦を啜るそば清の形態模写を繰り返した際に「普通はここで拍手が…」と零して笑いを取りつつ促したのが、喬太郎の中入り後の演目ちりとてちんでの強烈な臭いに目を白黒させながら、喰わなきゃでも喰えない…ええい!というのを形態模写する師匠の噺への前振りだったとはそのときは気づかなかったが、噺を最初から決めているわけでもないらしいから、たまたまということなのかもしれない。


 さすが当代きっての人気噺家だけあって、枕もネタも滅法おもしろかった。帰宅後、ついつい「ガチャガチャの妄想おねえさんの寿司屋」を画像検索してしまった。まったくオカシナものが流通しているものだと半ば感心した。


 ただコロナ禍のせいで指定席を前後左右1席空ける千鳥模様に組み替えたとのことで、入場に際して整理券との交換を求められ、16列目だった僕と妻は、2階の2列目(たぶん32列目に相当するのだろう)に繰り下げられたために、喬太郎の顔芸がほとんど識別できないという憂き目に。


 おまけに、スタンディングのライブスポットと違って、観客側が騒ぎ立てることなどないうえに一方向を向いた着席に対して、マスクは義務だ、いったん席に着いたらなるべく離席するな、会話は控えろと連呼され、甚だ気分を害した。マスクは飛沫感染防止のためのものとの合理性が失われ、着用自体が目的化している蒙昧こそが、本当に必要な施設や医療機関における資材欠如を引き起こしたと見ている僕には、劇場でのTPO無用の一律マスク着用圧力は、愚の骨頂にしか思えない。










  ヤマ

http://www7b.biglobe.ne.jp/~magarinin/


   (『間借り人の映画日誌』)

http://www.arts-calendar.co.jp/YAMAsan/Live_bibouroku.html

   (『ヤマさんのライブ備忘録』)






posted by アーツワークス at 22:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 演劇・パフォーマンス系

2020年06月07日

“西洋近代美術にみる 神話の世界”展 










'20. 6. 6.   “西洋近代美術にみる
神話の世界”展   
会場:高知県立美術館



序章「古なるものへの憧れ」に続いて四章からなる標題の企画展示を観覧してきた。標題には「神話の世界」とあるが、想像上の古代風俗を描いた作品も含んでの展示なのだから、序章タイトルに示されているように「ギリシャ・ローマ時代への憧れ」展と題するほうが相応しいように感じたけれども、タイトルの訴求力から神話を前面に出したのかもしれないという気もした。どこの章だったか、第U章だと思うが、ニンフを描いた場合などは神話世界を描いたのか古代風俗を描いたのか判然としないといった解説がされていたが、ギリシャ・ローマ神話に描かれる神々の世界は、神話画と風俗画との区別がしにくい程に人間臭い物語世界であって、宗教絵画が描き出そうとするものとは自ずと異なってきているようには、展示作品の数々を観ていて確かに感じた。宗教絵画群には感じられない類の描き手の“憧れ”がいずれの作家たちの作品からも立ち上っていたように思う。



第T章「甘美なる夢の古代」で目を惹いた作品は、少年性を漂わせた女性が月桂冠と同色の緑色の服をまとっていて恰も“月桂樹の精”であるように描かれていた『月桂冠を編む』(フレデリック・レイトン
1872油彩)、神話の世界展なのに何故に風俗画なのだろうと最初に思わせてくれた『お気に入りの詩人』(ローレンス・アルマ=タデマ
1888油彩)と『世界の若かりし頃』(エドワード・ジョン・ポインター
1891
油彩)だった。チラシの表を飾っていた『お気に入りの詩人』では、窓から覗く建造物の輝きが何処か神話性を醸し出しているようにも感じられ、薄衣をまとった女性たちが金魚の泳ぐ室内池だか水浴室で戯れ、まどろむ『世界の若かりし頃』では、遊戯とまどろみの仄めかす現実世界からの遊離が神話世界に通じているように感じられて、とても気に入った。ジョン・ウィリアムス・ウォーターハウスの油彩画『フローラ』(1914頃)は、妙にぼんやりしていて、僕の内にあるウォーターハウスのイメージと違い、意表を突かれた。また、ここでは1階のコレクション展で先ごろ観覧した高知県立美術館所蔵のマックス・クリンガーの『オヴィディウスの変身譚の犠牲者の救済』が展示されていたので、1階ではどうしているのだろうと確かめてみたら、コレクション展では1882年版、ここでは1879年の初版を展示しているのだった。当館は、同じ作品の両方を所蔵しているのかと驚いた。



第U章「伝統から幻想へ」では、二つのリトグラフ作品が気に入った。アンヌ=ルイ・ジロデ=トリオゾンの原画による『ダナエ』(イアサント・オーブリー=ルコント
1824
)に惹かれ、オノレ・ドーミエ作品集の『古代史』のなかの『タンタロスの拷問』1842)が面白かった。ここでは、アングルの『ユピテルとテティス』1807-25頃油彩)も展示されていたのだが、第T章で展示されていた同じ画題のジョン・フラクスマンによる『アキレウスの名誉を救うようゼウスに懇願するテティス』1793ラインエングレービング)のほうが僕は好いように思ったので、チラシにはフラクスマンの作品図版のほうが掲載されていることに納得感が湧いた。



第V章「楽園の記憶」では、ラウル・デュフィの作品群に惹かれ、なかでも『ヴィーナスの誕生』1937油彩)が面白かった。今回の展示で僕にとって最も新鮮に感じられたのは、このラウル・デュフィの作品群だったように思う。また、ここでは高知県美所蔵のシャガール・コレクションのなかでも僕の好きな作品集『ダフニスとクロエ』1957-60リトグラフ)が展示されていて、改めてその色合いの鮮やかに観惚れた。




第W章「象徴と精神世界」で気に入ったのは、ジョルジオ・デ・キリコによるブロンズ作品『孤独な詩人』1970)とマッタによるエッチング、アクアチント作品『薄暗いアーチのある時間』1973)だった。各章に思いのほか数多くの著名作家による作品が展示されていて驚いたが、特に目を惹く作品でもなかったことが却って興味深く感じられた。















  ヤマ

http://www7b.biglobe.ne.jp/~magarinin/


   (『間借り人の映画日誌』)

http://www.arts-calendar.co.jp/YAMAsan/Live_bibouroku.html

   (『ヤマさんのライブ備忘録』)






posted by アーツワークス at 01:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 美術系