2018年08月28日

'18. 8.26. おさらい会リーディング公演vol.03『生きてゐる小平治』









'18. 8.26. おさらい会リーディング公演vol.03『生きてゐる小平治』

会場:西村謄写堂本社社屋


 名のみぞ知れど舞台でも映画でも本作を観たことのない僕には、これを怪談というなら、第一幕の郡山で殺されたように思われながらも十日後の第二幕において満身創痍で江戸に現れるばかりか、第三幕の旅装での二人になお付きまとう小幡小平治(山粼千啓)なんぞよりも遥かに、おちか(伊藤麻由)の怖さこそが怪談だと思った。歌舞伎役者の小平治と“長年の馴染”である囃方の那古太九郎(山田憲人)の二人ともから、“心の弱い気の優しい女”“やさしい気の小さい女”だと言われつつも、第二幕の最後では太久郎を焚きつけ「咽喉を、咽喉をもう一ツ。」とまで言っていた魔性に恐れ入った。


 タイトルこそ小平治がメインなのだが、このおちかをどういう女性として造形するかが本作の演出上の要になって来るように感じた。第一幕で太久郎が小平治を挑発したように、分相応の役者狂いに過ぎない女房の淫事(いたずら)だったのか。或は、小平治が言うように心底惚れ合っていて、第二幕では「生きられるだけ生き、時が来たら一緒に死にましょう。」とまで言っていたことも紛れなく真情として持っていたのか。そのいずれなのか、はたまた両方なのか。


 おちかの声の聞こえない第一幕と小平治の声が聞こえない第三幕を観ながら、僕の好みとしては、やはりその両方ともが真実であればこその女の怖さが浮かび上がる芝居であってほしく思ったのだが、その意味では、おちかの気の強さや性悪が強めに色づけられているように感じられた点が、やや気に沿わなかった。


 江戸に戻ってきた小平治から「女敵の太九郎を殺した」と告げられたのが嘘だったことに対して「小平次さん。お前は拵え事をしたのだね。太九郎を殺したなんて…まあなんというひどい嘘をいったんだろう。」という台詞にやや怒気が滲んでいるように感じられたのだが、ここは怒気よりも驚きと哀しみであってほしかった。そのうえで、思わぬ顛末に狼狽したまま答えを出しかねているうちに太久郎が刃傷沙汰に及んだことで、自身が答えを出す前に状況が追いやった事態に自分を乗じさせる勢い付けとして「そうだ。うまく行った。嘘つきめ! 咽喉(のど)を、咽喉をもう一ツ。」と囃し立てたと解したいところが僕にはある。小平治の側に行きかけながらも当てがなくなりそうになると太久郎の元に戻るしか身の置き所を見い出せない女の哀れの浮かぶ風情が欲しかったように思うのだ。


 そのためには小平治から「早く殺せ!」と迫られながらも「許してくれ。………。おれには殺せない。ああ、おれは恐ろしい」と震え、「おちかは貴様にやる。きれいにやる。連れていけ」とまで言っていた太久郎が矢庭に小平治に切りつけたことに対する驚愕と、その発端が自身の洩らした「太九郎どの、お前、わたしと別れるのかい」との言葉によるものであることへの怯懦が漂っていないといけない気がする。同時にそれは、太久郎が第一幕で「おちかに惚れているのはおれも同じだ」と言っていた言葉が単に小平治への対抗心からのものではない真情であったことの証としても現れなければいけないように思うのだが、そういうニュアンスが少々乏しかったように感じる。


 そして、太久郎がいないとなれば小平治と生きようと思い、小平治が殺されるのなら太久郎に加担することに躊躇の無いおちかには、独りではいられない頼り無さこそが全てなれば、第三幕での「連れて行っておくんなさいよ。お願いだから捨てないで…。」が、それこそ“色の諸分、濡れの手管”ではない女の真情として宿っていないといけないように思う。そうでないと、まさに「ほかに惚れた男のある女で、腹のくさった女房で、亭主の面に泥をぬる売女」になりかねないことになって興醒めてしまう気がする。


 やはり小平治と太久郎がともに“心の弱い気の優しい女”“やさしい気の小さい女”と言ったままの女性であることのほうが、女の怖さと倫ならぬ色恋のタチの悪さが浮かび上がってくるのではなかろうか。だから「なんでもわたしのせいにするのだねえ」とのおちかの嘆息には、恨みがましさの微塵もない哀しみが宿っていなければいけないように思う。


 演じた役者は三人とも声がよく、また声に力もあって語りがよく響いてきた。昔言葉の響きにある色気をなかなかよく感じさせてくれていたように思う。効果音などの音響効果が備わると、恐らくラジオドラマを聴いているような感じが漂ってくるのではないかという気がするが、リーディングだとやはり言葉が前面に出てくるように感じる。これはこれで悪くないものだと改めて思った。












   (『間借り人の映画日誌』)

http://www.arts-calendar.co.jp/YAMAsan/Live_bibouroku.html


   (『ヤマさんのライブ備忘録』)





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2018年08月27日

時々自動『リハリハ6』?2019年2月末に上演予定の『コンサート・リハーサル』に接近してゆくステップ公演その6?



さあ、リハリハ6の向こうに透けて見えるコンサート・リハーサルのイメージを確かめに行こう!



 



20181026日(金)



STAR PINE'S CAFE



JR中央線/井の頭線「吉祥寺」駅北口徒歩3



武蔵野市吉祥寺本町1-20-16 B1 



0422-23-2251



open18:30 / start19:30 



adv.2900+1drink / door.3200+1drink 



 



【構成・演出・音楽】朝比奈尚行



【音楽】今井次郎 鈴木光介 



【出演】朝比奈尚行 宇佐美とよみ 岡本唯(g) 岸山絵美(sax) 鈴木光介(tp) 砂川佳代子(cl) 高橋牧(acc) 日高和子(sax) / 伊地知一子(vo) 板垣あすか 柴田暦(vo)  高野真由美 高橋千尋(rec) 三井耶乃(b)  和久井幸一(acc) / BUN Imai (drs&perc) 



 



【主催】泣eィコ・ディコ



 



【チケット取扱い】



◯予約フォーム:http://481engine.com/rsrv/webform.php?sh=2&d=905ce6ec51 



Eメール:ticket@tokidoki-jido.com



*お名前、フリガナ、枚数、連絡先をお知らせください。確認後、予約完了メールを返信いたします。



STAR PINE'S CAFE(店頭販売のみ)



 



【チケット発売日】



9月1日(土)



 



【問い合わせ 】時々自動 



mail@tokidoki-jido.com 03-6657-7309



http://www.tokidoki-jido.com



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2018年08月22日

【Dance Archive Network News 020】「緑のテーブル2017」東京公演のお知らせ

【Dance Archive Network News 020】「緑のテーブル2017」東京公演のお知らせ
2018年8月22日発行

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NPO法人ダンスアーカイヴ構想(Dance Archive Network−DAN) http://dance-archive.net/
(大野一雄舞踏研究所のアーカイヴ活動を引き継いだNPO法人ダンスアーカイヴ構想の活動を、不定期のメールニュースでお知らせします)

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「緑のテーブル2017」東京公演と国際ダンス映画祭・巡回プログラムについてお知らせします。

●●● 「緑のテーブル2017」東京公演 ●●●
http://www.dance-archive.net/jp/news/news_12.html

2017年に神戸で初演された「緑のテーブル2017」。2018年4月の名古屋公演を経て、この9月に東京公演が実現します。ウィークデーの夜、リフレッシュしてダンスを楽しんでいただけるよう、会場ではドリンクや軽食もご用意します。東京公演では、大野一雄舞踏研究所から4名の研究生も出演します。

2018年9月5日(水)・6日(木) 20:00〜
会場: ゲーテ・インスティトゥート/東京ドイツ文化センター(東京都港区赤坂7-5-56  https://www.goethe.de/ins/jp/ja/sta/tok/ueb/kon.html )
チケット:[前売り]一般3,000円/ 学生2,500円/ 団体割引(5名) 12,000円
     [当日] 一般・学生共3,500円

<チケット取扱い>
チケットカンフェティ http://confetti-web.com/greentable2017
Tel: 0120-240-540(通話料無料・平日10 :00〜18:00 土日祝日はご利用頂けません)
※カンフェティのチケット発券手数料はダンスアーカイヴ構想が負担します。

振付:岡登志子/ 美術:廣中薫
出演:垣尾優、桑野聖子、糸瀬公二、文山絵真、佐藤健大郎、山井絵里奈、村田圭介、佐伯春樺、奥響子、岡登志子、大野一雄舞踏研究所研究生(久世龍五郎、目次立樹、宇賀神智、友井亮輔)
特別出演:大野慶人 
音楽協力:田村ゆう子

主催 NPO法人ダンスアーカイヴ構想/共催 有限会社かんた/ 特別協力 ゲーテ・インスティトゥート/東京ドイツ文化センター/ 協力 大野一雄舞踏研究所、アンサンブル・ゾネ/助成 アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)

●関連企画「アペロ!アペロ!」
「アペロ」は、アペリティフ(食前酒)のこと。お仕事帰りに、まずはドリンクと軽食で一息つきませんか?
料金:ドリンク(ビール、ワイン、ソフトドリンク)と軽食のセット 一律500円
19時から開演時間まで、会場ロビーにて

→詳細情報 http://www.dance-archive.net/jp/news/news_12.html (チラシのダウンロードあり)
→ダンスアーカイヴ構想会報12号 
http://www.kazuoohnodancestudio.com/common/pdf/DANnews12.pdf
「アーカイヴが拓くダンスの未来:1932年『緑のテーブル』から『緑のテーブル2017』へ」(愛知県芸術劇場シニアプロデューサー、唐津絵理氏寄稿)


<お問い合わせ> ダンスアーカイヴ構想 
TEL:03-3450-6507/E-MAIL:info@dance-archive.net
Facebook : @DanceArchiveNetwork Twitter : @dance_archive


●●● 国際ダンス映画祭・巡回プログラム ●●●
ダンスを中心に映画として製作された映画作品、「ダンス映画」を上演する「国際ダンス映画祭」。2003年から同映画祭を主催してきたDance and Media Japanが、東京造形大学映画・映像専攻とタッグを組んで開催する「国際ダンス映画祭2018-2019」の巡回プログラムが、東京・千代田区 3331 アーツ千代田で開催されます。ワークショップも同時開催。巡回プログラムは、松山、岡山、仙台などでも今後開催されます。

会場:3331 アーツ千代田(千代田区外神田6丁目11-14 https://www.3331.jp/access/ )
日時:2018年9月2日(日)
14:00-16:30 身体と風景のための映像ワークショップ
      ※定員に達した為、申込み終了しました。
18:00-20:00 ダンス映画上映(国際ダンス映画祭・過去作品セレクション)
入場料・参加費:無料

主催:東京造形大学 映画・映像専攻 Dance and Media Japan
協力:NPO法人ダンスアーカイヴ構想
制作:有限会社かんた

●身体と風景のための映像ワークショップ
講師:飯名尚人(国際ダンス映画祭主宰・映像作家)
ダンスや映像に関わる教員・指導者・学生、振付家やダンサーなど、スキルやジャンルを問わずに誰でも参加できるワークショップです。

●上映作品
これまでの「国際ダンス映画祭」で上映されたクオリティーの高い映像作品を厳選して上映します。上映後にキュレーターによる作品解説あり。

「ス・ミズーラ」監督:Augenblick (イタリア)
「13番ホーム」監督:Camiel Zwart(オランダ)
「ディスラプション・途絶」監督:Felipe Frozza, Rike Flaemig(ドイツ)
「泳ぐか沈むか」 監督:Michiel Vaanhold(オランダ)
「パラディオの朽ち木」 監督:Michele Manzini(イタリア)
「アフターライフ ダンス」(死後のダンス)監督:Jacqueline Kooter(オランダ)
「ホーミング」 監督:Xabier Iriondo(スペイン・バスク)

WEBサイト http://www.dance-media.com/videodance/zokei/3331.html

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【発行】NPO法人ダンスアーカイヴ構想
Email: info@dance-archive.net
Tel/Fax : 03-3450-6507
【配信停止】お手数ですが、本メールを info@dance-archive.net にご転送下さい。

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2018年08月19日

9/29sat.金川信江〈クラリネット〉木陰のギャラリーコンサート in Gallery鶉

 

  音楽・トーク・フォトカード 想像が広がるひとときを!!


目白の住宅街にひっそりと佇む、そのギャラリーの入口は、木と草花、池のある中庭を歩いて向かいます。木もれ日が差し込むガラス窓の向こうには、推定樹齢200年の柿の木。石の床と吹き抜けの空間に、音楽が柔らかく響く。
 木陰で、気ままに、語らうように。


「気ままなコンサートシリーズ」


クラリネット無伴奏ソロによる、カジュアル・クラシック・コンサートです。
フォトカードをお配りし、トークを交えながら、短めの、耳馴染みの良い音楽を、たくさん奏でていきます。



『金川信江〈クラリネット〉木陰のギャラリーコンサート in Gallery鶉』

公式 公演情報ページ http://cdf-music.com/cl/Schedule/entori/2018/9/29_mu_yinnogyararikonsato_in_Gallery_chun_5.html

日時:2018年9月29日土曜日 14:30開場 15:00開演

会場:Gallery鶉(ギャラリージュン)
   東京都豊島区目白2-8-1  
   JR目白駅より、徒歩6分
   東京メトロ副都心線 雑司ヶ谷駅より、徒歩5分

入場料:前売り2,600円  当日2,800円

チケット取扱い:
 ・ヤフーPassMarket スマホ デジタルチケット クレジット決済
   https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/01ew2czr43h8.html
   決済完了後QRコード発行。スマホ画面表示、もしくはプリントアウトし受付までお持ちください。

 ・Confetti(カンフェティ) チケットオンライン
   https://www.confetti-web.com/detail.php?tid=47949&
 ・電話 カンフェティチケットセンター
   0120-240-540(受付時間 平日10:00〜18:00)
   カンフェティ予約の場合、お近くのセブン-イレブン レジ にて精算発券。

   *未就学児のご入場は、ご遠慮ください。

主催:音楽プロジェクトc.d.f(セーデーエフ)
    http://cdf-music.com

演奏曲目:
 モーツァルト/モテット「踊れ喜べ、幸いなる魂よ」より アレルヤ
 シベリウス/ロマンスop.78-2 思い出op.99-3
 エルガー/愛の挨拶
 フォーレ/ヴォカリーズ
 アーン/リラに来るうぐいす 他



出演:金川信江 KANEKAWA Nobue http://cdf-music.com/cl/
 〜 写真と出会った音楽家 〜 クラリネット奏者
幼少よりピアノに親しみ、12歳よりクラリネットを始める。国立(くにたち)音楽大学卒業。スイス国立チューリッヒ音楽大学マスタークラスを、審査により学費全額助成を得て参加修了。第1回ロマン派音楽コンクール優秀賞受賞(グランプリなし単独での優秀賞受賞)の他、複数のコンクールでの受賞、オーディション合格歴を持つ。「おしゃべりコンサート」「こどものためのコンサート」「語りと音楽の世界」「日本現代音楽展」等に出演。「リサイタル」の開催。写真を演出に取り入れたクラリネット無伴奏ソロによるカフェやギャラリーでの『気ままなコンサートシリーズ』は好評を博し多数の公演を行う。【写真家たちの新しい物語】第8回に選出され、富士フイルムフォトサロン東京にて初写真個展「根っこ」を開催。「Regard Intense by 16 photographers 」に参加する等、音楽と写真を通じ幅広い活動を行っている。音楽プロジェクトc.d.f(セーデーエフ)アーティスト。


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2018年08月14日

「緑のテーブル2017」プレスリリース第4弾[2018.9.5-6開催]

アーツカレンダー 様

 

平素より大変お世話になっております。

 

本年4月の名古屋公演の映像を使用した新トレーラーが完成しました!ぜひご覧ください。

>> 「緑のテーブル2017」トレーラー https://vimeo.com/283234463

 



「戦争に反対したダンス」があった一方で、「戦争に巻き込まれたダンス」もありました。

本リリースでは、時代の波に翻弄された日本モダンダンスの歴史に焦点をあてます。

 

ニュース・トピック==========================

1. 慰問舞踊とプロパガンダ

2. 大野一雄と戦争

3. 大野一雄舞踏研究所からの出演者決定!

4. 公演基本情報

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1. 従軍慰問とプロパガンダ

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従軍舞踊団記録写真



日中戦争下の日本において、モダンダンスもプロパガンダの手段として国家に利用されました。

その典型例が、従軍慰問公演です。1938年頃から1942年頃まで、陸軍省の依頼、新聞社の後援など様々な形で皇軍慰問が行われます。その目的は、前線の士気を鼓舞するとともに、戦地で見聞したことを帰国後に宣伝させることにありました。

日本軍事政権がダンスを政治利用した背景には、同盟関係にあったドイツからの影響があると考えられます。ナチス政権下のドイツでもまた、モダンダンスはナショナリズムを高める一手段として体制側に利用されていました。たとえば1936年のベルリン・オリンピックでは、ルドルフ・ラバンやマリー・ヴィグマンが開会式の振付演出を担当するほか、元ダンサーのリーフェンシュタールが記録映画『オリンピア』を撮影しています。

ドイツのヴィグマン舞踊学校で学んだ江口隆哉と宮操子は、1938年帝国劇場で舞踊作品「麦と兵隊」(火野葦平原作)を発表した後、戦地慰問の旅に出ました。1942年まで4回にわたり、中国、東南アジアの最前線を訪れ公演しています。故宮操子の手元に戦地での貴重な写真が残されていました。その一部をこちらからご覧下さい。



>> 江口隆哉・宮操子従軍慰問舞踊団 https://youtu.be/HeF5Bn0NywU [限定公開]

 ※こちらの映像URLに関しましては、SNS等での公開や転送などをお控えいただきますようお願い申し上げます

 

[参考図書]

- 坂口勝彦、西田留美可『戦場のモダンダンス 江口隆哉・宮操子前線舞踊慰問の軌跡』NPO法人ダンスアーカイヴ構想、2017年。

- 宮操子『陸軍省派遣極秘従軍舞踊団』創栄出版、1995年。

- 宮操子『戦野に舞ふ 前戦舞踊慰問行』鱒書房、1942年。

 

 

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2. 大野一雄と戦争

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大野一雄写真



江口・宮のもとでモダンダンスを学んでいた大野一雄は、1938年に出征により舞踊活動を中断。開封(中国西北部)で7年、戦争の末期はニューギニアに移ります。終戦後は連合軍の捕虜になり、1年を過ごしたのち、ようやく1946年に足かけ9年の従軍から生還します。帰宅翌日から江口・宮舞踊研究所での稽古を再開し、1949年に最初のリサイタルを持ちました。

ニューギニアから帰る船上で亡くなった戦友達を水葬して見送った体験から、帰国したら「クラゲの踊り」を踊って死者の霊を慰めようと思ったと、大野一雄は語っています。

戦争の悲惨さを身をもって知り、舞踏とは「命を大切にすること」と言っていた大野。彼は、江口・宮からクルト・ヨース「緑のテーブル」の話を聞いたとみられ、大きな感動をもってこの作品を受けとめていました。

 

 

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3. 大野一雄舞踊研究所からの出演者決定!

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「緑のテーブル2017」東京公演には、4名の大野一雄舞踏研究所研究生が出演します。

久世龍五郎、目次立樹、宇賀神智、友井亮輔

 

 

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4. 公演基本情報


岡登志子振付「緑のテーブル2017」(2017年神戸初演)

http://www.dance-archive.net/jp/news/news_12.html

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 [日時]2018年9月5日(水) 20:00開演

         9月6日(木) 20:00開演  (※上演時間:約60分)

 

[会場]ゲーテ・インスティトゥート 東京ドイツ文化センター

 

[料金]前売 一般 3,000円 | 学生 2,500円 | 団体割引(5名) 12,000円

    当日 一般・学生とも 3,500円

 

    チケットカンフェティ

    http://confetti-web.com/greentable2017

    Tel: 0120-240-540(通話料無料・平日のみ10:00-18:00)

    ※発券手数料はダンスアーカイヴ構想が負担します。

 

[キャスト/スタッフ]

 振  付:岡登志子  

 美  術:廣中薫

 出  演:垣尾優、桑野聖子、糸瀬公二、文山絵真、佐藤健大郎、山井絵里奈、

      村田圭介、佐伯春樺、奥響子、岡登志子、

      大野一雄舞踏研究所研究生(久世龍五郎、目次立樹、宇賀神智、友井亮輔)

 特別出演:大野慶人

 音楽協力:田村ゆう子

 

 主  催:NPO法人ダンスアーカイヴ構想

 共  催:有限会社かんた

 特別協力:ゲーテ・インスティトゥート 東京ドイツ文化センター

 協  力:大野一雄舞踏研究所、アンサンブル・ゾネ

 助  成:アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)

 

 

本件についてのお問い合せ、写真等のご請求は下記にご連絡ください。

何卒よろしくお願い申し上げます。



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NPO法人ダンスアーカイヴ構想(担当:溝端)

http://www.dance-archive.net

Email : press@dance-archive.net

Facebook : @DanceArchiveNetwork

Twitter : @dance_archive

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※今後ダンスアーカイヴ構想からのプレス配信がご不要な方は、本メールにそのままご返信ください。

 
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2018年08月10日

'18. 8. 5. タネマキカク第1回公演『「…」』









'18. 8. 5. タネマキカク第1回公演『「…」』

会場:蛸蔵


 もう何年も打っていない気がするが、ひと頃は毎日のように囲碁に興じていたから、久しぶりに碁盤に高らかな石音を立ててみたくなった。高知公演に寄せて脚本家【久野那美(Fの階)】が「囲碁劇を作ろうと思いました」と記しているように、利き石が重荷になったり、死に石が甦ったり、手順を重ねることで局面が変わり、同じ場所に置かれたままの石の持つ意味が変化していく“囲碁”というものを意識した造りにはなっていたが、囲碁を「点転」との名称に転じ、盤上競技と言いながら、盤の大きさに規定がないなどという無体な競技にしたうえで、いささか見苦しい作家的自意識に囚われた小説家を名乗る紙袋を持つ男(オカザキケント)を造形した脚本を第1回公演企画として取り上げることにしたのは、何ゆえだったのだろう。


 物語としての面白さという意味では、僕の感想はまさにタイトル通り「…」でしかないのだが、黒い靴の女(上村彩華)を配したものと白い靴下の男(吉良佳晃)を配したものとの二つのヴァージョンを構えていたことで対照される違いがなかなか興味深い公演になっていたところが面白かった。先に観た“黒い靴の女”版だと、紙袋を持つ男と何も持たない女(柴千優)という「点転」側の人物、言うなれば作家側の拘りのほうに重きが置かれ、後から観た“白い靴下の男”版だと、最後に窓辺から外を眺めていた二人の非「点転」側の人物の姿が示すように、言うなれば読者ないしは観客の側に重きを置いた作劇になっていた気がする。僕の好みは断然、“白い靴下の男”版だ。火葬場の控室にきちんと扉を開けて入ってきていた黒い靴の女と違って、独り靴も履いていない靴下姿で客席側から現れた白い靴下の男が、小説家の漏らす取るに足らない不満とか、考えを変えて露にしていた慢心とかを一喝すべく、彼とは旧知の間柄だったらしい故人となった女性があの世から遣わした者のように思えたからだ。


 十七年前に故人と別れ、地元を立ち去った小説家にそのとき何があったのかは明かされないが、おそらく二人は昵懇の間柄だったのだろう。男が小説世界のなかで創造したものに惹かれ認め、実際に現実世界のなかで女が展開し始めたことに離別の原因があったような気がする。その核心は、男の器の小ささだったのではなかろうか。そもそも十七年前の時点で、既に十冊を超えるだけの著作を刊行している小説家だとは思えないような文句と強欲を“何も持たない女”にぶちまけるようなセコイ男なのだ。もっとも、白い靴下の男や黒い靴の女の読んでいた『転がる点』ではなくて、窓の外を見ている女(山田紫織)の読んでいた『弔』に書かれていたものが本作「…」だったりするのであれば、話は少々異なってくるのだが、流石にそれはアンフェアというものだ。


 どうにも残念だったのは、紙袋を持つ男が、どう観たって十七年前に既に十数冊の作品を上梓している小説家には見えないことだった。演出プランとしての設定年齢は何歳だったのだろう。少なくとも中高年には至っていないといけないように思うが、どうもそういう意識で演じているようには映って来なかった。それなりに相応の老けメイクを施していないと、現実感に乏しい物語世界の不思議感の際立ちが削がれてしまって出鱈目感のようなものが立ち上がってきかねない気がした。こういう作品なればこそ、大事なことのように思う。











  ヤマ

http://www7b.biglobe.ne.jp/~magarinin/ 

  (『間借り人の映画日誌』)

http://www.arts-calendar.co.jp/YAMAsan/Live_bibouroku.html

  (『ヤマさんのライブ備忘録』)





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