2018年08月14日

「緑のテーブル2017」プレスリリース第4弾[2018.9.5-6開催]

アーツカレンダー 様

 

平素より大変お世話になっております。

 

本年4月の名古屋公演の映像を使用した新トレーラーが完成しました!ぜひご覧ください。

>> 「緑のテーブル2017」トレーラー https://vimeo.com/283234463

 



「戦争に反対したダンス」があった一方で、「戦争に巻き込まれたダンス」もありました。

本リリースでは、時代の波に翻弄された日本モダンダンスの歴史に焦点をあてます。

 

ニュース・トピック==========================

1. 慰問舞踊とプロパガンダ

2. 大野一雄と戦争

3. 大野一雄舞踏研究所からの出演者決定!

4. 公演基本情報

=========================================

 

----------------------------------------------------------------------------

1. 従軍慰問とプロパガンダ

----------------------------------------------------------------------------

従軍舞踊団記録写真



日中戦争下の日本において、モダンダンスもプロパガンダの手段として国家に利用されました。

その典型例が、従軍慰問公演です。1938年頃から1942年頃まで、陸軍省の依頼、新聞社の後援など様々な形で皇軍慰問が行われます。その目的は、前線の士気を鼓舞するとともに、戦地で見聞したことを帰国後に宣伝させることにありました。

日本軍事政権がダンスを政治利用した背景には、同盟関係にあったドイツからの影響があると考えられます。ナチス政権下のドイツでもまた、モダンダンスはナショナリズムを高める一手段として体制側に利用されていました。たとえば1936年のベルリン・オリンピックでは、ルドルフ・ラバンやマリー・ヴィグマンが開会式の振付演出を担当するほか、元ダンサーのリーフェンシュタールが記録映画『オリンピア』を撮影しています。

ドイツのヴィグマン舞踊学校で学んだ江口隆哉と宮操子は、1938年帝国劇場で舞踊作品「麦と兵隊」(火野葦平原作)を発表した後、戦地慰問の旅に出ました。1942年まで4回にわたり、中国、東南アジアの最前線を訪れ公演しています。故宮操子の手元に戦地での貴重な写真が残されていました。その一部をこちらからご覧下さい。



>> 江口隆哉・宮操子従軍慰問舞踊団 https://youtu.be/HeF5Bn0NywU [限定公開]

 ※こちらの映像URLに関しましては、SNS等での公開や転送などをお控えいただきますようお願い申し上げます

 

[参考図書]

- 坂口勝彦、西田留美可『戦場のモダンダンス 江口隆哉・宮操子前線舞踊慰問の軌跡』NPO法人ダンスアーカイヴ構想、2017年。

- 宮操子『陸軍省派遣極秘従軍舞踊団』創栄出版、1995年。

- 宮操子『戦野に舞ふ 前戦舞踊慰問行』鱒書房、1942年。

 

 

----------------------------------------------------------------------------

2. 大野一雄と戦争

----------------------------------------------------------------------------

大野一雄写真



江口・宮のもとでモダンダンスを学んでいた大野一雄は、1938年に出征により舞踊活動を中断。開封(中国西北部)で7年、戦争の末期はニューギニアに移ります。終戦後は連合軍の捕虜になり、1年を過ごしたのち、ようやく1946年に足かけ9年の従軍から生還します。帰宅翌日から江口・宮舞踊研究所での稽古を再開し、1949年に最初のリサイタルを持ちました。

ニューギニアから帰る船上で亡くなった戦友達を水葬して見送った体験から、帰国したら「クラゲの踊り」を踊って死者の霊を慰めようと思ったと、大野一雄は語っています。

戦争の悲惨さを身をもって知り、舞踏とは「命を大切にすること」と言っていた大野。彼は、江口・宮からクルト・ヨース「緑のテーブル」の話を聞いたとみられ、大きな感動をもってこの作品を受けとめていました。

 

 

----------------------------------------------------------------------------

3. 大野一雄舞踊研究所からの出演者決定!

----------------------------------------------------------------------------

「緑のテーブル2017」東京公演には、4名の大野一雄舞踏研究所研究生が出演します。

久世龍五郎、目次立樹、宇賀神智、友井亮輔

 

 

----------------------------------------------------------------------------

4. 公演基本情報


岡登志子振付「緑のテーブル2017」(2017年神戸初演)

http://www.dance-archive.net/jp/news/news_12.html

----------------------------------------------------------------------------

 [日時]2018年9月5日(水) 20:00開演

         9月6日(木) 20:00開演  (※上演時間:約60分)

 

[会場]ゲーテ・インスティトゥート 東京ドイツ文化センター

 

[料金]前売 一般 3,000円 | 学生 2,500円 | 団体割引(5名) 12,000円

    当日 一般・学生とも 3,500円

 

    チケットカンフェティ

    http://confetti-web.com/greentable2017

    Tel: 0120-240-540(通話料無料・平日のみ10:00-18:00)

    ※発券手数料はダンスアーカイヴ構想が負担します。

 

[キャスト/スタッフ]

 振  付:岡登志子  

 美  術:廣中薫

 出  演:垣尾優、桑野聖子、糸瀬公二、文山絵真、佐藤健大郎、山井絵里奈、

      村田圭介、佐伯春樺、奥響子、岡登志子、

      大野一雄舞踏研究所研究生(久世龍五郎、目次立樹、宇賀神智、友井亮輔)

 特別出演:大野慶人

 音楽協力:田村ゆう子

 

 主  催:NPO法人ダンスアーカイヴ構想

 共  催:有限会社かんた

 特別協力:ゲーテ・インスティトゥート 東京ドイツ文化センター

 協  力:大野一雄舞踏研究所、アンサンブル・ゾネ

 助  成:アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)

 

 

本件についてのお問い合せ、写真等のご請求は下記にご連絡ください。

何卒よろしくお願い申し上げます。



===================================

NPO法人ダンスアーカイヴ構想(担当:溝端)

http://www.dance-archive.net

Email : press@dance-archive.net

Facebook : @DanceArchiveNetwork

Twitter : @dance_archive

===================================

※今後ダンスアーカイヴ構想からのプレス配信がご不要な方は、本メールにそのままご返信ください。

 
posted by アーツワークス at 09:00| Comment(0) | TrackBack(0) | コンテンポラリーダンス・バレエ系

2018年08月10日

'18. 8. 5. タネマキカク第1回公演『「…」』









'18. 8. 5. タネマキカク第1回公演『「…」』

会場:蛸蔵


 もう何年も打っていない気がするが、ひと頃は毎日のように囲碁に興じていたから、久しぶりに碁盤に高らかな石音を立ててみたくなった。高知公演に寄せて脚本家【久野那美(Fの階)】が「囲碁劇を作ろうと思いました」と記しているように、利き石が重荷になったり、死に石が甦ったり、手順を重ねることで局面が変わり、同じ場所に置かれたままの石の持つ意味が変化していく“囲碁”というものを意識した造りにはなっていたが、囲碁を「点転」との名称に転じ、盤上競技と言いながら、盤の大きさに規定がないなどという無体な競技にしたうえで、いささか見苦しい作家的自意識に囚われた小説家を名乗る紙袋を持つ男(オカザキケント)を造形した脚本を第1回公演企画として取り上げることにしたのは、何ゆえだったのだろう。


 物語としての面白さという意味では、僕の感想はまさにタイトル通り「…」でしかないのだが、黒い靴の女(上村彩華)を配したものと白い靴下の男(吉良佳晃)を配したものとの二つのヴァージョンを構えていたことで対照される違いがなかなか興味深い公演になっていたところが面白かった。先に観た“黒い靴の女”版だと、紙袋を持つ男と何も持たない女(柴千優)という「点転」側の人物、言うなれば作家側の拘りのほうに重きが置かれ、後から観た“白い靴下の男”版だと、最後に窓辺から外を眺めていた二人の非「点転」側の人物の姿が示すように、言うなれば読者ないしは観客の側に重きを置いた作劇になっていた気がする。僕の好みは断然、“白い靴下の男”版だ。火葬場の控室にきちんと扉を開けて入ってきていた黒い靴の女と違って、独り靴も履いていない靴下姿で客席側から現れた白い靴下の男が、小説家の漏らす取るに足らない不満とか、考えを変えて露にしていた慢心とかを一喝すべく、彼とは旧知の間柄だったらしい故人となった女性があの世から遣わした者のように思えたからだ。


 十七年前に故人と別れ、地元を立ち去った小説家にそのとき何があったのかは明かされないが、おそらく二人は昵懇の間柄だったのだろう。男が小説世界のなかで創造したものに惹かれ認め、実際に現実世界のなかで女が展開し始めたことに離別の原因があったような気がする。その核心は、男の器の小ささだったのではなかろうか。そもそも十七年前の時点で、既に十冊を超えるだけの著作を刊行している小説家だとは思えないような文句と強欲を“何も持たない女”にぶちまけるようなセコイ男なのだ。もっとも、白い靴下の男や黒い靴の女の読んでいた『転がる点』ではなくて、窓の外を見ている女(山田紫織)の読んでいた『弔』に書かれていたものが本作「…」だったりするのであれば、話は少々異なってくるのだが、流石にそれはアンフェアというものだ。


 どうにも残念だったのは、紙袋を持つ男が、どう観たって十七年前に既に十数冊の作品を上梓している小説家には見えないことだった。演出プランとしての設定年齢は何歳だったのだろう。少なくとも中高年には至っていないといけないように思うが、どうもそういう意識で演じているようには映って来なかった。それなりに相応の老けメイクを施していないと、現実感に乏しい物語世界の不思議感の際立ちが削がれてしまって出鱈目感のようなものが立ち上がってきかねない気がした。こういう作品なればこそ、大事なことのように思う。











  ヤマ

http://www7b.biglobe.ne.jp/~magarinin/ 

  (『間借り人の映画日誌』)

http://www.arts-calendar.co.jp/YAMAsan/Live_bibouroku.html

  (『ヤマさんのライブ備忘録』)





posted by アーツワークス at 20:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 演劇・パフォーマンス系