2018年01月17日

劇団文化座公演『三婆』(高知市民劇場第330回例会)









'18. 1.16. 会場:高知市文化プラザかるぽーと大ホール


 '65年のあの日、かぼちゃ婆の正妻松子(佐々木愛)がもし撤回しなければ、十年後の'75年には四人とも既にこの世を去っていたに違いないと思った。老境にあっての一番の酷が孤独に他ならないことを印象深く描出していた気がする。


 原作者(有吉佐和子)が女性だからかもしれないが、三婆のみならず若い花(山粼麻里)も含め、女性の暗部が鮮やかに炙り出されていたように思う。そこを笑いに仕立てている作品であることが明確に伝わって来つつも、その見事な鮮やかさに生なリアルさを感じて、笑うに笑えない辟易が湧いたりもしたのは、自分が女性ではないからかもしれない。女性たちに比べると、重助(佐藤哲也)や辰夫(筆内政敬)といった男性陣は、老いも若きも、実に素直で他愛もない存在であることに微苦笑を誘われた。


 それにしても、三婆それぞれのキャラ立ちは流石だった。とりわけ際立っていたのが電気クラゲの小姑タキで、演じていた有賀ひろみに感心。キツネと呼ばれていた妾の駒代(阿部敦子)もなかなかのキャラだったけれども、やはりタキには及んでいなかったような気がする。


 '75年と言えば、翌年に大学進学で僕が上京した時期だ。美濃部都政下にあり、本作でも無料化された老人医療費の話とともに高齢者の都営交通無料パスやら多摩動物園の入園券の配布やらがされていた。かつての高齢者福祉の手厚さを見せているようでもあり、行政の福祉サービスというものが、高齢者が生きていく上で真に必要なサービスとはズレていることを風刺しているようでもあり、微妙なニュアンスとなっていたことが時代状況の隔世を語っていて興味深かった。また、舞台では60代から70代の婆として語られていたが、観ている側の感覚からすれば、最後の場面は70代から80代でないとしっくりこなくなっている気がする。


 ちょうど三十年前となる '88年9月の例会で観たときの文化座公演は脚色・演出とも小幡欣治だったものが、当然ながら、演者・演出とも違っているものの、同じ小幡による台本を使っているから、70代〜80代にはならないわけだ。当時、三十歳だった僕が『三婆』をどう観たのかと思って探してみたが、観賞メモを残していなかった。あの頃は、今のような例会感想文集を発行していなかったのか、自分が寄稿していないので残していないのか不明だが、少し残念に思った。








  ヤマ

http://www7b.biglobe.ne.jp/~magarinin/


          (『間借り人の映画日誌』)

http://www.arts-calendar.co.jp/YAMAsan/Live_bibouroku.html

          (『ヤマさんのライブ備忘録』)





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2018年01月12日

[イベント情報掲載依頼] 2/7(水) 開催 公開講座「技術を深める(第3回)」

アーツカレンダー
ご担当者さま

 平素より大変お世話になっております。

 TARLにて開催いたします公開講座のお知らせをぜひ御サイトにてご掲載いただきたくご連絡差し上げます。

 2/7()開催 「技術を深める(3)」の参加申し込み募集を開始いたしました。

 

・開催情報

以下リンクよりダウンロードをお願いいたします。

http://firestorage.jp/download/9252747e3d4011061a2ea7e3ae76aa472fb54d9b

 

・添付画像

以下リンクよりダウンロードをお願いいたします。

http://firestorage.jp/download/a24dbedb74210900e50dd97f8a3853b44c6223e2

 

お忙しいところ恐縮ですが、ご興味お持ちいただけましたら幸いです。

 何卒よろしくお願い申し上げます。

 

TARL事務局(一般社団法人ノマドプロダクション)

脇屋佐起子



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